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石川県の大学生35名が「傍観者」から「当事者」に変わった全15回:レゴ®シリアスプレイ®を活用した授業が示す、若手社員育成のヒント

  • 7月29日
  • 読了時間: 7分
左に「傍観者が、当事者になる」「若手育成のヒント」などの講演ポスター、右に土偶風の男女が模型を囲み議論する温かな室内風景


「言われたことはやるけれど、自分から動こうとしない」


「若手に当事者意識が足りない。でも、どう育てればいいのか分からない」


「研修をやっても、翌週には元通り。結局、本人の性格の問題なのか」


石川県・富山県・福井県の製造業や建設業の経営者の方から、こうしたお悩みを本当によく伺います。


この記事では、私が北陸学院大学社会学部で担当した「グローバル社会論」全15回の授業で、学生35名に何が起きたのかをそのままお伝えします。


そして、その変化が皆さんの会社の若手社員にどう応用できるのかを考えていきます。




北陸学院大学「グローバル社会論」で行ったこと


2026年4月から7月までの全15回。

テーマはSDGsとグローバル課題でした。


ただ、この分野の授業には構造的な落とし穴があります。


「遠い世界の悲惨な出来事」として知識を暗記するだけで終わり、かえって「自分には何もできない」という無力感を植え付けてしまうのです。


企業研修でも同じことが起きていないでしょうか。


理念やコンプライアンスを「聞いた」だけで、行動が何ひとつ変わらないという現象です。


そこで全15回のすべてで、レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用したワークを実施しました。


講義を最小限にし、「まず手で作品をつくり、そこから考える」というプロセスを徹底したのです。


授業の柱にしたのは、次の考え方でした。


  • はたらく=傍(はた)を楽にする 労働を苦役でも自己実現の手段でもなく、周囲の誰かの課題を解決することだと捉え直す


  • 世界はつながっている、自分も 日々の消費行動が、地球規模の課題と地続きであると体感する


  • 未来は自分で変えることができる

    小さな行動が、巨大なシステムを動かす起点になる。予算も能力も社会的なしがらみも、いったん脇に置く。そのうえで「誰の傍を楽にしたいのか」だけを描いてもらいました。




学生35名に起きた、3つの変化




最終回の振り返りシートから、特に印象に残った変化を3つ挙げます。


1. 「自分には関係ない」が崩れた


ある学生は、こう書いていました。

社会や世界のどこかで起きている問題は、自分には関係の無いことで、自分が楽しく生きていればどうでもいいと思っていた。しかし、世界に自分に関係のない問題はなくて、何かしら自分も関わっていると分かった。

別の学生は「自分の一つの行動が、巡りめぐって自分の元にも返ってくる」と表現しました。


これは、製造業の現場でいえば「自分の工程だけ見ていた社員が、前後の工程と全体の流れを見るようになる」ことと、まったく同じ構造です。私が研修で大切にしている全体俯瞰の視点そのものでした。



2. 手を動かすと、自分でも知らなかった本音が出てくる

手を動かすことで意外と頭の中のものが形になるということがわかりました。
偶然に出来た形に「後付け」で意味を付ける点が新鮮で、捻り出す過程でセレンディピティのような発見があった。

「まず考えてから作る」のではなく、「作ってから意味が見つかる」。この順番の逆転が、言語化の壁を越えさせます。


北陸の製造業・建設業の現場には、口数の少ない方がたくさんいらっしゃいます。


決して考えていないわけではありません。


言葉にする回路が、ふだん使われていないだけです。


ブロックという回路を用意すると、驚くほど言葉が出てきます。




3. 「まず受け入れる」姿勢が身についた

私が一番大切にしたいと思ったことは「まず受け入れること」です。真似したいと思う素敵な人達には共通点があり、みんな聞く姿勢が素敵でした。

そして、最終回に全員の作品を床につなげて一つの大きな景色をつくったとき、こんな声が出ました。


誰かを救いたいという思いが私1人のものではなく、同じように思っている仲間が他にいるということが可視化されて、安心した。

自分は一人ではない。この感覚が、行動を続ける力になります。





この変化は、御社の若手社員にも起こせるのか


正直にお伝えします。


全15回という時間があったからこそ、ここまで深く進んだ面は確実にあります。


ただ、変化の入り口は初回に開きます。


福井県の松浦機械製作所様では内定者研修として、また新入社員研修を実施したトラック車体製造業のお客様でも、初日から「自分の言葉で話せた」という反応が生まれました。


静岡県の自動車部品・金属加工メーカー様では、若手から中堅までが参加し、研修責任者の方から「無口で大人しいメンバーが多いのですが、自分の思いをしっかり言葉にできていた」という評価をいただいています。


若手の主体性は、性格の問題として語られがちです。


しかし私は、場の設計の問題だと考えています。


発言の順番、上下関係、正解を求められる空気。それらを外した場をつくれば、人は勝手に語りはじめます。


大学生でも、20代の社員でも、60代のベテランでも、この点は変わりません。





よくある質問


Q. 大学の授業と企業研修では、内容は変わりますか?


A. 問いの立て方が変わります。

大学では「誰の傍を楽にしたいか」を問いましたが、企業では「この職場の理想の状態は」「自分の役割は何か」といった、業務に直結する問いに置き換えます。手を動かして考え、語り、聴き合うという骨格は同じです。



Q. ベテランや管理職にも効果はありますか?


A. むしろベテランの方ほど、言葉になっていない経験知をお持ちです。

それをブロックで形にしていただくと、若手への技術継承の入り口になります。石川県の建設会社様(従業員130名)でも、世代を越えた対話の場として活用いただきました。



Q. 1回きりの研修でも変化は起きますか?


A. 気づきは1回で生まれます。

ただ、それが習慣として定着するかは別問題です。だからこそ弊社では、研修後の行動宣言をどう職場で支えるかまで含めてご相談に乗っています。1回で全部が変わると申し上げるつもりはありません。



大学生であっても、社会人であっても、人が変わる瞬間の条件は驚くほど似ています。


安心して話せる場があること。手を動かして考えられること。


そして、自分の言葉を受け止めてくれる誰かがいること。


私自身、44歳で家業の会社を整理し、ゼロから会社員として再出発しました。そのとき私を立て直したのも、正論ではなく、話を最後まで聴いてくれた人の存在でした。


信成万事


信じることから、すべては始まると思っています。


👉 レゴ®シリアスプレイ®を活用した研修とは?費用・事例を見る https://www.dekiru-jp.com/lsp



最後まで読んでくださったあなたへ


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もし今、


  • 人や組織のことで、ひとりで抱えている悩みがある

  • 頑張っているのに、どこか空回りしている感じがする

  • 「このままでいいのか」と、ふと立ち止まりたくなる瞬間がある


そんな感覚が少しでもあるなら、それは変化のタイミングが近づいているサインかもしれません。


まずは軽く話すだけで大丈夫です。無理な勧誘や売り込みは一切ありません。

「話してみて、違うと思ったらそれでOK」です。




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【著者プロフィール】

幸動力コーチ 杉本 嵩龍(すぎもと たかたつ)株式会社できる 代表取締役。

「人と組織が幸せに働き続ける未来をデザインする」をミッションに、脳科学(RAS®)・レゴ®シリアスプレイ®・コーチングを組み合わせた対話と体感を重視した支援を行っています。延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。44歳での会社整理という挫折と、ゼロからの再出発を経験したからこそ、経営者の孤独や、決断し続ける苦しさに、きれいごとなく寄り添えます。現在は金沢市山間部・牧山町でヤギと猫に囲まれながら暮らしています。

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