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石川県の人事・研修担当者と講師で「提出書類と研修テキスト」の見え方が違う理由:コンビニ弁当と魚定食で考えること

  • 7 日前
  • 読了時間: 9分
左に「その修正は誰のため?」と書かれた研修ポスター、右に机で資料を確認する粘土風の会社員3人。温かな会議室。


「事前に出してもらったカリキュラムと、当日のテキストが合っていない」


「変更の連絡が直前に来て、社内説明に困る」


「研修は無事に終わったけれど、質が担保できているのか自信がない」



石川県金沢市の株式会社できるは、理念経営・組織開発の外部参謀|レゴ®シリアスプレイ®と幸動力コーチングで、理念を現場の行動に変える組織づくりを支援しています。 


代表の杉本嵩龍は幸動力コーチとして、石川・富山・福井を中心に延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。


この記事では、研修テキストが直前まで書き換わる理由と、研修の質を落とさずに書類も整える運用の考え方をお伝えします。




魚定食の話から始めます


定食屋さんの魚定食は、その日の仕入れで魚の種類が変わります。


アジの日もあれば、サバの日もある。


お客さんに一番いいものを出したいから、変えるんです。


あれは手抜きではなくて、むしろその逆です。


研修のテキストも、私はそれに近いと思っています。


ここから、何が変わって何が変わらないのかをお話しします。




骨格は変えない。中身は、直前まで動く なぜ講師は直前までテキストを直すのか?


研修のカリキュラムには、必ず骨格があります。


この研修で何を持ち帰ってもらうのか。

どういう順番で理解が進むのか。


ここは事前に固めますし、そう簡単に動かしません。


一方で、演習の中身は違います。




現場の情報が入るたびに、演習は書き換わる


事前打ち合わせで現場の課題を聞く。


参加者名簿を見て、役職の構成が想定と違うことに気づく。


担当者からぽろっと出た一言が、実はこの組織の一番の痛みだったと分かる。


そのたびに、演習の題材を差し替えます。


汎用的なケースではなく、その会社の現場に近い設定に書き換える。


ワークの人数構成を組み直す。問いの立て方を一段深くする。


正直に言えば、この作業は前日の夜まで続きます。


ひどいときは当日の朝、金沢の自宅から会場に向かう車の中でもう一度考え直しています。


なぜそこまでやるのか。


研修は、その日一日しかないからです。


参加者にとっては、業務を止めて確保してもらった貴重な時間です。


「一般論としては正しいけれど、うちの話ではないな」と思われた瞬間に、その一日は消えてしまう。


それが怖いから、ギリギリまで手を入れます。ただ、そこで起きたことがありました。




「提出書類と違う」と言われたとき


先日、事前に提出したカリキュラムの演習項目と、当日使うテキストの演習内容が一致していない、という指摘を受けました。テキストを書類のほうに合わせて修正してほしい、という連絡です。


基本項目も、主な項目も、変えていません。

変えたのは、クライアントに合わせて調整した演習部分だけでした。


念のため聞きました。

「これは、クライアントからの今回のご要望ですか」と。


そうではない、という答えでした。


事務局として、提出書類と実施内容の見た目を揃えておきたい。それだけ、とのことでした。


定食を頼んだのにうどんが出てきた、なら怒られて当然です。


でも、今日の魚がアジからサバに変わったことを、書類の整合という理由だけで問われると、さすがに立ち止まってしまいます。


正直、そのときは感情がこみ上げました。

冷静だったとは言えません。


ただ、あとから別の見え方が出てきました。



事務局の方は、コンビニ弁当の基準で仕事をしている


コンビニのお弁当も、中身は変わります。


季節商品もあれば、地域限定もある。


ただ、変えるのは本部で、切り替えは一斉です。店員さんの判断で今日だけ魚を変える、ということは起こりません。


仕様どおりであることが、そのまま品質の担保だからです。


事務局の方が持たされている基準は、おそらくこちらです。


提出した仕様書が、そのまま納品物の定義になっている。


だから実物とずれた瞬間に、説明を求められるのはその人になります。


一方で、私が出しているのは定食屋の魚定食です。


その日の仕入れで、一番いいものを出す。品質の定義そのものが違うんですね。


つまりこれは、担当者の姿勢の問題ではなく、契約の形と提供の形が噛み合っていないという話でした。


そう気づいてから、私の中の怒りはずいぶん静かになりました。




これは、担当者個人の問題ではない


事務局の方には事務局の立場があります。


書類と実態が食い違っていれば、後から説明を求められるのはその人です。


揃えたくなるのは、仕事として自然な反応でもあります。


問題があるとすれば、「講師が現場に合わせて調整する」という当たり前の営みが、書類運用の設計の中に最初から織り込まれていないことのほうでしょう。


だから、感情をぶつけて終わらせるのではなく、仕組みの話に翻訳したいと思うようになりました。


ここからは、その具体案です。





研修の質を落とさず書類も整える、3つのこと


「調整することがある」と様式に一文入れる


カリキュラムの提出様式に「演習項目は受講者・現場の状況に応じて調整することがあります」と書いておく。これだけで、事前と当日のずれは「想定内」になります。弁当型の書式に、定食型の余白を一行つくるイメージです。



変更連絡のタイミングを事前に握る


実施の何営業日前までに、どのレベルの変更を共有するのか。ここを決めておけば、直前の駆け込みは減ります。軽微な演習調整と、構成そのものの変更を分けておくと運用が回りやすくなります。



「変わっていないこと」を確認する軸を決める


研修目標と主要項目が変わっていないなら、演習の題材が変わったこと自体は品質の担保を脅かしません。むしろ、丁寧に準備された証拠であることが多いはずです。

書類は、研修を守るためにあるものです。書類を守るために研修が縮むのなら、順番が逆になっています。




講師の生産性は、当日だけでは測れない


研修の見積もりは、たいてい実施時間で計算されます。


6時間の研修なら6時間分。


でも実際には、その裏側に事前ヒアリング、資料設計、テキスト作成、そして直前の作り直しがあります。


私の場合、6時間の研修に対して準備は軽く数倍かかります。


それは仕事なので、当然のこととして引き受けています。


ただ、直前の修正指示が「受講者のため」ではなく「書類のため」であるとき、その数時間はどこにも価値を生みません。


講師の時間が削られ、その分だけ当日の研修に注げるエネルギーが減る。損をするのは、最終的には受講者です。


講師の準備時間の使い道が、そのまま受講者への還元量になります。 ここだけは、お伝えしておきたいところです。




石川県・北陸の現場から届いた声

「様式に一文入れただけで、社内の確認フローがすごく楽になりました。今までは講師さんに直前で無理を言っていたんだと気づきました」(石川県・製造業/人事担当者)
「参加者から『うちの話そのものだった』という感想が初めて出ました。演習が現場に寄せてあったからだと思います」(富山県・福祉法人/事務局担当者)
「弁当と定食の話が刺さりました。自分は弁当の基準で研修を管理していたんだと分かって、見る場所が変わりました」(福井県・医療法人/管理職)



よくある質問(FAQ)


研修の演習内容が事前提出のカリキュラムと変わるのは問題ですか?


研修目標と主要項目が変わっていなければ、多くの場合は問題になりません。

演習の題材変更は、受講者の状況に合わせた調整であることがほとんどです。気になる場合は「何が変わっていないか」を確認する軸を先に決めておくと判断しやすくなります。




研修カリキュラムの変更は、いつまでに連絡してもらうべきですか?


明確な正解はありませんが、実施の3〜5営業日前を目安に、変更のレベル別で共有ルールを決めておく方法をおすすめしています。軽微な演習調整と、構成そのものの変更を分けておくと運用が回りやすくなります。




石川県で研修を依頼するとき、質を見極めるポイントは?


事前打ち合わせでどれだけ現場のことを聞かれるかが、ひとつの目安です。

参加者の役職構成や現場の課題を細かく確認する講師は、当日の内容もそこに合わせて設計している可能性が高くなります。




それでも、ギリギリまで考え続ける


こんなことを書きましたが、次の研修でも私はきっと前日の夜まで演習を練り直しています。


44歳で会社をたたんで、ゼロから立て直したとき、私を助けてくれたのは立派な書類ではありませんでした。


目の前の人が、本気で向き合ってくれたかどうか。それだけでした。


研修も同じだと思っています。講師は、書類を揃えるために準備しているのではありません。目の前の受講者の一日を変えるために準備しています。そこだけは、譲りたくない。


そして、弁当の基準で必死に守ってくださっている事務局の方にも、同じだけ敬意を持ちたいと思っています。



信成万事。 


信じて動けば、事は成っていく。石川県・金沢から、そう信じて今日も準備しています。




最後まで読んでくださったあなたへ


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もし今、


  • 人や組織のことで、ひとりで抱えている悩みがある

  • 頑張っているのに、どこか空回りしている感じがする

  • 「このままでいいのか」と、ふと立ち止まりたくなる瞬間がある


そんな感覚が少しでもあるなら、それは変化のタイミングが近づいているサインかもしれません。


まずは軽く話すだけで大丈夫です。

無理な勧誘や売り込みは一切ありません。「話してみて、違うと思ったらそれでOK」です。




👉 社外人事参謀とは?|組織の課題を、外部の視点で一緒に設計する https://www.dekiru-jp.com/shagai-jinji-sanjin


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【著者プロフィール】

幸動力コーチ 杉本 嵩龍(すぎもと たかたつ)株式会社できる 代表取締役。

「人と組織が幸せに働き続ける未来をデザインする」をミッションに、脳科学(RAS®)・レゴ®シリアスプレイ®・コーチングを組み合わせた対話と体感を重視した支援を行っています。延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。44歳での会社整理という挫折と、ゼロからの再出発を経験したからこそ、経営者の孤独や、決断し続ける苦しさに、きれいごとなく寄り添えます。現在は金沢市の山間部でヤギと猫に囲まれながら暮らしています。


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