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経営資源は「人・物・金・情報」から5つへ|北陸の中小企業経営者が今いちばん投資すべき「つながり」という資源

9月19日
読了時間: 9分


「人も設備も揃っているのに、なぜかチームとして噛み合わない」


「情報共有ツールを導入したのに、現場の本音が経営に上がってこない」


「若手が辞めていく理由が、給与や待遇の話だけではない気がする」



石川県・北陸で経営者の方とお話ししていると、この3つはほぼ毎回のように出てきます。


そして共通しているのは、「打つ手は打っているのに、手応えがない」という感覚です。


この記事では、経営資源が「人・物・金・情報」の4つから「つながり」を加えた5つに変わってきた背景と、目に見えないその5つ目の資源をどう見える化し、育てていくのかを、石川県・北陸の現場事例とともにお伝えします。




経営資源が「4つ」で足りていた時代は、終わりつつあります


私たちは長いあいだ、経営資源といえば「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つだと教わってきました。


私自身も家業の繊維加工会社で22年間、この4つをどう確保するかを考え続けてきました。


この4つには共通点があります。すべて「どれだけ持っているか」で測れるということです。


人員数、設備、資金、顧客データ。


すべて数えられ、貸借対照表や名簿に載ります。


だからこそ、経営判断の対象になりやすかった。


ところが今、この4つは驚くほど早く「差がつかないもの」になりました。


情報は、検索すれば誰でも手に入ります。


生成AIを使えば、数年前なら専門家に頼んでいた分析が数分で出てきます。


設備はリースやシェアで持たずに使えます。資金調達の手段も、金融機関だけではなくなりました。


つまり、4つの資源を「持っている」ことの優位性が、急速に小さくなっているのです。


では、何で差がつくのか。


同じ人数、同じ設備、同じ情報を持った2社が、まったく違う成果を出す。


その差はどこにあるのか。


現場で見ていて思うのは、資源と資源を「つなぐ力」の差です。





5つ目の経営資源「つながり」とは何か


「つながり」と言うと、抽象的で気恥ずかしい言葉に聞こえるかもしれません。


でも経営の文脈でいうと、これは3つの層に分けて具体的に考えることができます。



①社内のつながり(部門間・世代間・役職間)


製造部が営業部の苦労を知らない。

営業部が経理部の意図を知らない。

ベテランの判断基準が若手に伝わっていない。


それぞれの部署は真面目に仕事をしているのに、部署の壁を越えた瞬間に情報の質が落ちる。これは北陸の製造業でも建設業でも、規模を問わず起きています。




②社外のつながり(協力会社・取引先・同業)


中小企業ほど、自社だけで完結する仕事は少ないはずです。


協力会社との関係の質が、納期にも品質にも直結します。


ここが「発注する・される」だけの関係になっているか、課題を一緒に考えられる関係になっているかで、トラブル時の復旧速度がまったく違ってきます。




③地域とのつながり


採用が典型です。

石川県・富山県・福井県のように人材の母数が限られる地域では、「この会社なら知っている人がいる」という地域内の信頼が、求人広告よりも効きます。

地域との関係は、採用コストという形で数字に跳ね返ってきます。





「つながり」を経営資源と呼べる3つの理由


「大事なのはわかるが、それは資源ではなく“雰囲気”では」と言われることがあります。


私は3つの点で、これは資源だと考えています。


1つ目は、蓄積されること。 


一度できた信頼関係は、次の仕事の前提になります。ゼロから説明する時間が要らなくなる。これは設備投資と同じで、積み上がった分だけ後の生産性が上がります。



2つ目は、切れると事業が止まること。 


2024年の能登半島地震のあと、石川県内の多くの企業が実感されたはずです。

マニュアルよりも、「あの人に連絡すれば動く」というつながりが復旧を支えました。

つながりは、平時には見えず、有事に効く資源です。



3つ目は、離職率と採用力に直結すること。


 人が辞める理由の多くは、仕事内容そのものより「ここに自分の居場所があるか」です。

つながりの薄い組織は、人という資源も同時に失っていきます。



つまり「つながり」は、他の4つの資源の効きを何倍にも変える資源なのです。


人的資本経営が語られるようになった背景にも、この認識の変化があります。





つながりは目に見えない。だから「見える化」から始める


ここに、この5つ目の資源のいちばん厄介な性質があります。


測れないものは、管理できない。

管理できないものは、投資されない。


在庫は数えられます。売上は集計できます。


でも「部門間の理解度」は、日報にもISOの帳票にも載りません。


だから多くの会社で、つながりは「あればいいもの」の位置に置かれたまま、誰の担当にもならずに放置されます。




レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用したワークショップでは、参加者一人ひとりが問いに対する答えをブロックで組み立てます。


「あなたの仕事のやりがいは?」「この会社の理想の姿は?」——言葉にしにくいことを、まず手で形にします。


そして、その作品について語り合う。


すると不思議なもので、普段いちばん無口な人が、いちばん深いことを話し始める場面が何度も起こります。


作品という“よりどころ”があるので、話すハードルが下がるからです。


役職も年齢も関係なく、全員が同じだけ発言する。


この状態が数時間続くと、それまで見えなかったお互いの前提や価値観が、その場に並びます。これが「つながりの見える化」です。





石川県・北陸の現場で起きた変化


抽象論だけでは伝わりにくいので、実際の事例を3つご紹介します。


事例1|部門の垣根を越えた対話が、業績130%につながった(食品製造業)


老舗の醤油味噌製造会社様では、「社員間の対話を増やし、チームとしての意識を醸成したい」というご依頼でした。3時間のワークショップを、まず営業部と直販部で実施。普段まったく対話のなかった社員同士が、部署の垣根を越えて自分の想いを伝える場になりました。


社長からは「社員の本音が垣間見えた」というお声をいただき、その後、製造部・経理部へと展開。現在も定期的に継続いただいています。この期間に、新規販路開拓と海外展開で業績は130%まで伸びました。


つながりへの投資が、数字として返ってきた事例です。



事例2|全社員130名の建設会社で見えた「普段見られない表情」(石川県・建設業)


石川県のゼネコン様では、年1回の全社員研修会でレゴ®シリアスプレイ®を活用した研修を実施しています。


テーマは、帰属意識の向上と、自分と他者の持ち味を知ること。


人事ご担当と社長からいただいた感想は、「社員の普段見られない笑顔での対話が多く、満足のいく研修だった」というものでした。130名という規模でも、全員が手を動かして参加できるのがこの手法の特徴です。



事例3|50社超が集まる業者会での、企業を越えたつながり(建設業)


大手ゼネコンの協力会社でつくる業者会様では、50社を超える企業の方が参加されました。テーマは、人材育成とベテランから若手への技術伝承です。


参加者の方からは、「作品を観て話すことで、相手の根幹を知ったり、知らない自分に気づいた。人の意見がこんなに違うものかと思った」というお声をいただきました。社内だけでなく、企業間のつながりにも同じことが起こります。




明日から始められる、つながりへの3つの投資


大がかりな制度をつくらなくても、できることがあります。


①「知っているつもり」を確認する場をつくる


部門長同士で、お互いの部署の困りごとを1つずつ挙げてもらうだけでも、認識のズレは驚くほど出てきます。



②数字に出ない仕事を、言葉にして共有する


段取りを整えた人、後輩の相談に乗った人。評価表に載らない貢献を、会議の冒頭5分で共有する。それだけでつながりの手触りは変わります。



③年に一度でいい、全員が同じ問いに向き合う時間をとる


「私たちの仕事は、誰の何を支えているのか」。


この問いに全員で向き合う時間は、どんな社内報より効きます。


私は幸動力という言葉を大切にしています。幸せに働く力は、一人では生まれません。人と人のあいだにしか生まれないからこそ、つながりは経営資源なのだと思っています。




よくある質問(FAQ)


Q1. 「つながり」への投資効果は、どう測ればいいですか?


A. 完璧な指標はありませんが、離職率、部門をまたぐ改善提案の件数、社内アンケートの「相談できる相手がいるか」という項目の推移が、現実的な代替指標になります。当社では組織の関係の質を測るOcapiという測定ツールを併用し、研修前後の変化を数値で追うこともしています。



Q2. 少人数の会社でも意味がありますか?


A. むしろ少人数の会社ほど効きます。

人数が少ないと「言わなくてもわかっているはず」という思い込みが強くなり、実際にはズレていることが多いためです。5名程度から実施できます。




Q3. 石川県以外でも対応してもらえますか?


A. 石川県・富山県・福井県の北陸3県を拠点に、全国で実施しています。静岡県の自動車部品メーカー様など、県外での実績も多数あります。




最後まで読んでくださったあなたへ


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


もし今、

  • 人や組織のことで、ひとりで抱えている悩みがある

  • 頑張っているのに、どこか空回りしている感じがする

  • 「このままでいいのか」と、ふと立ち止まりたくなる瞬間がある


そんな感覚が少しでもあるなら、それは変化のタイミングが近づいているサインかもしれません。

つながりという資源は、放っておいて増えるものではありません。手を打つと決めた会社から、静かに差がついていきます。



👉 人的資本経営|「つながり」を組織の力に変える取り組みを見る


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👉 公式サイト|株式会社できる


O Sole Mio! いつも心に太陽を!



【著者プロフィール】

幸動力コーチ 杉本 嵩龍(すぎもと たかたつ)

株式会社できる 代表取締役。

「人と組織が幸せに働き続ける未来をデザインする」をミッションに、

脳科学(RAS®)・レゴ®シリアスプレイ®・コーチングを組み合わせた

対話と体感を重視した支援を行っています。

延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。

44歳での会社整理という挫折と、ゼロからの再出発を経験したからこそ、

経営者の孤独や、決断し続ける苦しさに、きれいごとなく寄り添えます。

現在は金沢市山間部・牧山町でヤギと猫に囲まれながら暮らしています。

※LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


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