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石川県の中小企業経営者が「経営理念とビジョンの違い」でつまずく理由:プラチナサークルで整理する

9月30日
読了時間: 7分
左に「それ、理理念ですか?」と書かれた講演ポスター、右に木の机を囲むスーツ姿の男女が模型を見て相談する温かな室内風景


「理念とビジョン、正直どう違うのか説明できない」


「ビジョンを掲げているのに、社員がピンときていない気がする」


「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を作ったが、使われないまま貼ってある」



この記事では、経営理念とビジョンが混ざってしまう構造的な理由、プラチナサークル理論とMVVの対応表、そして社員に届くビジョンに必要な条件をお伝えします。


こんにちは。株式会社できる(石川県金沢市)代表取締役の杉本嵩龍です。理念経営・組織開発の外部参謀|レゴ®シリアスプレイ®を活用した研修と幸動力コーチングで、理念を現場の行動に変える組織づくりを支援しています。


石川・富山・福井を中心に、延べ200社・4,000名以上の経営者や管理職と向き合ってきました。






理念とビジョンが混ざるのは、2つの軸を1つで考えているから



そのあとで、ある経営者の方からこう聞かれました。「じゃあ、ビジョンはこの5つのどこに入るんですか」と。


いい問いだと思いました。

そしてお答えしながら、自分の中でもはっきりしたことがあります。


ビジョンは、5つの層のどこにも入りません。軸が違うからです。


  • プラチナサークルは深さの軸。内側に行くほど、自分たちの根っこに近づく


  • ビジョンは時間の軸。その根っこを、未来に向かって投影したときに見える景色


だから「理念とビジョンの違いは何か」を、同じ物差しの上で比べようとすると、いつまでも整理がつかないんですね。片方は深さ、片方は時間。比べるものではなく、掛け合わせるものでした。


私自身、感覚では分かっていたつもりでしたが、こうして言葉にしてみて、ようやく腑に落ちました。




プラチナサークルとMVVの対応表


よく使われるミッション・ビジョン・バリューの3つと、プラチナサークルの5層は、こう対応します。


MVV

プラチナサークル

軸

変わるか

ミッション

WHO + FOR WHOM + WHY

深さ(内側)

原則変わらない

ビジョン

内側の3層を未来に投影した情景

時間

達成すれば更新する

バリュー

HOW

深さ(外側)

環境に応じて見直す

事業・商品

WHAT

深さ(最外)

頻繁に変わる


この表で見ると、ミッションとビジョンは対立するものではなく、同じものを別の角度から見ていることがわかります。


ミッションは「今、なぜここにいるのか」。ビジョンは「その先に、どんな景色をつくりたいのか」。


そしてもうひとつ。ビジョンだけが「更新される前提」なんですね。


理念は変えないけれど、ビジョンは達成したら次を描く。


ここを混同すると、「理念をコロコロ変える会社」に見えてしまいます。



青基調の図解で「理念とビジョンの違い」。ミッションは深さの軸、ビジョンは時間の軸として円図や表で比較している。


「借り物のビジョン」になってしまう2つのパターン


金沢や北陸の中小企業でご一緒していると、うまくいっていないビジョンには共通点があります。



内側を飛ばして、いきなり未来を描いている


「業界No.1を目指す」「地域で愛される企業になる」

——立派ですが、どの会社が言っても成立してしまう言葉です。


これは、WHOとFOR WHOMを埋めないまま時間軸だけを伸ばしたときに起こります。


根っこがない状態で未来を描くと、どこかで見たことのある言葉に着地するんですね。



情景ではなく、状態を書いている


「〜な会社になる」は、状態の説明です。まだビジョンになりきっていません。


ビジョンには「情景」が要ると思っています。


誰が、どんな顔で、何をしているのか。そこまで解像度が上がると、社員が同じ絵を見られるようになる。


逆に言えば、社員がバラバラの絵を思い浮かべる言葉は、まだビジョンではないのかもしれません。





実例:私自身のビジョン


粘土風の会議室でスーツ姿の男女が円卓を囲み、中央の木と子ども模型を見ながら話す。左に「私自身のビジョン」「WHO/FOR WHOM/WHY」「ビジョン」の文字。

分かりにくいと思うので、自分のことで書きます。


  • WHO:44歳で会社を整理し、ゼロから立て直した経営者


  • FOR WHOM:迷いながら決断し続ける経営者、そしてその先にいる子どもたち


  • WHY:大人が自分の軸で生きている姿を、見せるため


  • ビジョン:子どもたちが、未来に夢を持てる社会


「子どもたちが未来に夢を持てる社会」は、WHYではありません。


WHYを未来に置いたときに見える景色です。だからビジョンなんですね。


そしてこのビジョンは、私が家業を整理した経験と、まっすぐつながっています。


あのとき、うつむいて働く大人でいたくないと思った。


だから内側から出てきた言葉で、借り物になりようがない。


内側が埋まっていれば、ビジョンは考えるものではなく、出てくるものなのだと思います。





石川県・北陸の中小企業が、ビジョンを描くには


順番があります。先に深さ、あとから時間です。


WHOとFOR WHOMとWHYを掘り下げてから、「では10年後、どんな景色が見えていたらいいか」を問う。


この順番なら、ビジョンは自然に立ち上がってきます。


株式会社できるでは、レゴ®シリアスプレイ®を活用した研修と幸動力コーチングで、この2段階を扱っています。


手を動かして作品をつくると、まだ言葉になっていないものが形になる。


特にビジョンは、言葉より先に「絵」で出てくることが多いんです。


脳科学(RAS®)の観点からも、これには理由があります。


石川県・富山県・福井県の製造業、福祉、医療の現場で、経営者お一人の言語化から、多世代の社員さんを交えたビジョン共有まで、ご一緒してきました。






お客様の声


ビジョンとミッションの違いが、対応表で一気に整理できました。

うちが「ビジョン」と呼んでいたものは、実はバリューだったと分かって驚いています。(石川県・製造業/代表取締役)


社員がそれぞれ作品をつくったとき、思い描いていた未来がこんなに違うのかと。そこから対話が始まりました。(福井県・医療法人/事務長)





よくある質問


経営理念とビジョンの違いは何ですか?


経営理念は「私たちは誰で、誰のために、なぜ存在するのか」という深さの軸を示すもので、原則として変わりません。ビジョンは、それを未来に投影したときに見える情景で、時間の軸にあります。比べるものではなく、掛け合わせて使うものです。




ビジョンは何年先を設定すればいいですか?


決まりはありませんが、中小企業では3〜10年をひとつの目安にしています。

大切なのは年数より、その時点の景色が具体的に思い浮かぶかどうかです。社員が同じ絵を見られる解像度になっていれば、年数は後から決められます。




ミッション・ビジョン・バリューは全部作らないといけませんか?


全部そろえることが目的ではありません。順番としては、まず内側(ミッション)を固めることをおすすめしています。内側が定まっていないままビジョンとバリューだけ整えても、現場では使われにくいためです。





最後まで読んでくださったあなたへ


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 

もし今、


  • 人や組織のことで、ひとりで抱えている悩みがある

  • 頑張っているのに、どこか空回りしている感じがする

  • 「このままでいいのか」と、ふと立ち止まりたくなる瞬間がある


そんな感覚が少しでもあるなら、 それは変化のタイミングが近づいているサインかもしれません。


まずは軽く話すだけで大丈夫です。 無理な勧誘や売り込みは一切ありません。 「話してみて、違うと思ったらそれでOK」です。


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【著者プロフィール】 

幸動力コーチ 杉本 嵩龍(すぎもと たかたつ) 

株式会社できる 代表取締役。 

「人と組織が幸せに働き続ける未来をデザインする」をミッションに、 脳科学(RAS®)・レゴ®シリアスプレイ®・コーチングを組み合わせた 対話と体感を重視した支援を行っています。 延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。 44歳での会社整理という挫折と、ゼロからの再出発を経験したからこそ、 経営者の孤独や、決断し続ける苦しさに、きれいごとなく寄り添えます。 現在は金沢市の山間部でヤギと猫に囲まれながら暮らしています。

 
 
 

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