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ポリテクセンターの訓練にレゴ®シリアスプレイ®は使えるのか?石川・北陸の製造業向けに実施事例と数値で解説

  • 6 日前
  • 読了時間: 11分
左に「公的訓練が、変わる。」と書かれ、右でスーツの講師が、作業台の前の作業服の人々にレゴ風ブロック訓練を教える室内風景。


「社員研修を受けさせたいが、外部研修は費用が高い」


「毎年ポリテクセンターの訓練を使っているが、受講者が受け身になっている」


「講義を聞いて帰ってくるだけで、現場が変わった実感がない」


石川県・金沢をはじめ北陸の製造業の経営者・人材育成のご担当者から、こうしたお話をよく伺います。


ポリテクセンターの訓練は、中小企業にとって心強い選択肢です。


ただ、講義中心の設計になると、受講者が「聞いて終わり」になりやすいという課題も、多くの企業が感じているところではないでしょうか。


実は、この訓練の演習部分にレゴ®シリアスプレイ®の活用を組み込むことができます。私自身、ポリテクセンター静岡の生産性向上支援訓練として、これまでに複数社で実施してきました。



この記事では、その仕組みと実際の数値データをお伝えします。

この記事でわかること: 

ポリテクセンターの生産性向上支援訓練とは何か/なぜレゴ®シリアスプレイ®を組み込めるのか/実際に実施した2社の受講者アンケート結果。





そもそも、ポリテクセンターの生産性向上支援訓練とは


ご存じの方も多いと思いますが、まずこの制度の基本を整理しておきます。


全国のポリテクセンター等に設置された「生産性向上人材育成支援センター」が、各企業の課題に合わせてカリキュラムをカスタマイズし、訓練コースを設定します。また、専門的な知見やノウハウを持つ民間機関等と連携して訓練を実施しています。


中小企業の経営者にとって重要なポイントは、次の3つです。



① 受講料の負担が抑えられる


一人あたりの受講料は、「生産・業務プロセスの改善」「横断的課題」「売上げ増加」の訓練分野で3,300円〜6,600円、「IT業務改善」の訓練分野で2,200円〜4,400円(税込)です。


民間の研修会社に外部講師を依頼する場合の費用と比べると、負担の水準がかなり違うことがおわかりいただけると思います。


さらに、生産性向上支援訓練を利用した事業主は、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する人材開発支援助成金を受けることができます。ただし一定の要件と手続きがあるため、事業所所在地を管轄する労働局やハローワークの助成金担当窓口への確認が必要です。




② カリキュラムをオーダーメイドで設計できる


ここが、この記事の本題につながる部分です。


訓練の日程や時間帯は企業の要望に合わせて設定でき、「生産・業務プロセスの改善」「横断的課題」「売上げ増加」の分野ではトータル6〜30時間、「IT業務改善」の分野では4〜30時間の範囲内で実施可能です。土日や夜間の実施もできます。


決まったパッケージを受けるだけではありません。自社の課題に合わせて中身を調整できる制度です。




③ 自社の会議室でも実施できる


自社の会議室に全国から講師を招いて実施することも可能です。


移動時間のロスがなく、現場の環境のまま研修ができます。

つまり、この訓練は「決まった講義を聞きに行く制度」ではなく、企業の課題に合わせて中身を組み立てられる制度です。だからこそ、演習の手法を選ぶ余地があります。





なぜ、ポリテクセンターの訓練にレゴ®シリアスプレイ®を組み込めるのか


目的は「置き換え」ではなく「演習効果を高めること」


まず、大前提をはっきりさせておきます。


レゴ®シリアスプレイ®を導入する目的は、研修内容を置き換えることではありません


既存のポリテクカリキュラムの基本項目を踏まえたうえで、受講者が自ら考え、手を動かし、対話し、気づきを共有し、現場での行動変容につなげるための体験型演習手法として導入するものです。


生産性向上支援訓練は、もともと講義だけでなくグループワーク等の演習を取り入れ、企業課題に応じたオーダーメイド型の訓練として設定できます。


レゴ®シリアスプレイ®は、その演習効果を高める手法として位置づけやすいのです。




レゴ®シリアスプレイ®とは何か


念のため、簡単に定義しておきます。


レゴ®シリアスプレイ®とは、参加者がレゴ®ブロックで自分の考えを立体モデルとして表現し、それを言葉で語り合うことで、本人も気づいていなかった思考や課題を可視化する対話手法です。


デンマークのレゴ社が開発し、構成主義(コンストラクショニズム)とフロー理論を土台としています。


進め方は、

①問いの設定

②モデルの構築

③ストーリーの共有

④振り返りと探求


という4ステップの繰り返しです。




6時間の訓練で、どう時間配分するか


具体的なイメージがわかないと思いますので、6時間コースの構成例をお示しします。

「ものづくりの仕事のしくみと生産性向上」を例にした場合です。


構成

時間

比率

内容

1. ものづくりの仕事のながれ

約90分

約17%

講義(製造業全体のしくみと各部門の役割)

2. ものづくりげんばの現状と課題

約90分

約17%

講義・対話(QCD・5S・原価と利益の基本)

3. 業務改善(レゴ演習・GW)

約210分

約50%

テーマ理解→個人制作→作品共有・対話→改善提案

4. まとめ・行動宣言

約30分

約8%

明日からの改善行動に落とし込む

講義部分は残したまま、演習の中身を入れ替える構成です。

カリキュラムの基本項目は満たしたまま、受講者の参加度が変わります。




相性の良いコースと、そうでもないコース


すべてのコースに向いているわけではありません。


判断の軸は、DXかどうかといった分野ではなく、次の5点です。


  • 参加度が上がるか — 全員が手を動かし、自分の考えを表現できるか

  • 自分ごと化できるか — 研修テーマを自分の仕事・職場・役割に引き寄せられるか

  • 対話が生まれるか — 受講者同士の相互理解、部門間理解、本音の共有につながるか

  • 見える化できるか — 業務の流れ、課題、理想像、関係性、役割を立体的に表現できるか

  • 行動変容につながるか — 最後に「明日から何をするか」まで落とし込めるか


この基準で見たときに相性が良いのは、たとえば次のような領域です。


業務改善・生産性向上系 

— 「成果を上げる業務改善」「ムダを発見するための業務プロセスの見える化と業務改善」「ものづくりの仕事のしくみと生産性向上」「生産現場の問題解決」


組織力強化・人材育成系 

— 「フォロワーシップによる組織力の向上」「チーム力の強化と中堅・ベテラン従業員の役割」「現場社員のための組織行動力向上」


ノウハウ継承系 

— 「職業能力の整理とノウハウの継承」「後輩指導力の向上と中堅・ベテラン従業員の役割」


合意形成・対話系 

— 「ファシリテーションを活用した合意形成の効率化」


逆に、特定のソフトの操作習得のように、正解が一つに決まっていて手順の習熟が目的のコースでは、この手法の出番は限られます。



では、実際に効果はあったのか。数字でお伝えします。





実施事例①:浜松市の金属加工メーカー様(初任層8名)



ポリテクセンター静岡の生産性向上支援訓練として実施した事例です。


研修前の課題


  • 自分の持ち場だけで考えがち

  • 他者との接点が少ない

  • ものづくり全体の流れが見えにくい

  • 役職へのステップアップに向け、視野を広げる必要があった


ご担当者からの訓練ニーズは、「課題を発見・交換し、コミュニケーションを深めたい」「横のつながりを持たせたい」「参加型・演習主体で積極的に意見交換する研修を希望」というものでした。


研修後アンケートの結果(8名)


項目

結果

研修が役立つ

100%(大変役立つ62.5%/役立つ37.5%)

業務に活かせる

87.5%

課題解決に役立つ

75%

次回も受講したい

87.5%(ぜひ62.5%/受講したい25%)



受講者の変化


考え方が広がった。

他者の視点を知ることができた。

自分の考えが整理された。

横のつながりが生まれた。

ものづくりの本質を考えるきっかけになった。



受講者からは、こうした声をいただきました。


いろんな人の意見を聞いて、考え方が広がった

共有することで、ムダを減らせると感じた

自分では気づかなかった考えを知ることができた

頭の中を整理することができた



初任層が「自分の持ち場目線」から「全体視点」へ広がった、というのがこの研修の成果でした。



実施事例②:静岡県の自動車部品・金属加工メーカー様(若手〜中堅)


同じくポリテクセンター静岡の生産性向上支援訓練として、6時間で実施した事例です。


企業の課題


若手〜中堅のコミュニケーションが少ない。

お互いの仕事の流れ・つながりが見えにくい。

無口・大人しいメンバーが多く、意見が出づらい。

やりがい・協働意識の低下と離職防止も課題。



事業主アンケートの結果

項目

結果

生産性向上度

100%(大いにつながった)

業務改善・課題解決

100%(多少効果につながった)

伝達・指導能力の向上

100%(多少効果につながった)

担当者評価

100%(研修効果を実感)


研修責任者の声


普段コミュニケーションを取る機会が少ない中で、仲間や仕事への思いを多く聞けてとても良かったです。

無口で大人しいメンバーが多いのですが、自分の思いをしっかり言葉にできていたと聞き嬉しく思いました。

普段なかなか意見や思いを聞く機会のない層の言葉を多く聞けた。課や個人の役割を理解し、みんなで同じ方向を向けたと感じる



「無口なメンバーも自分の思いを言葉で表現できた」という点は、この手法の特徴がそのまま表れた結果だと思っています。


レゴ®シリアスプレイ®は「100%の参加者から、100%の貢献を引き出す」ことを前提に設計されています。


全員が必ず手を動かし、全員が語ります。声の大きい人だけが場を支配する構造が、そもそも成立しません。


製造業の現場には、話すのは苦手でも仕事は確かな方が大勢いらっしゃいます。

その方々の考えを引き出せるかどうかは、研修の設計次第です。





導入を検討するときの進め方


まずは最寄りのポリテクセンターに相談する


石川県であればポリテクセンター石川、富山県・福井県にもそれぞれ生産性向上人材育成支援センターが設置されています。


相談の際は、「講義だけでなく、受講者が手を動かして考える演習形式にしたい」という希望を伝えるところから始めてみてください。カリキュラムのカスタマイズが前提の制度ですので、要望を出すこと自体が想定されています。



押さえておきたい注意点


正直にお伝えしておきたい点もあります。


  • ブロックを配れば成立する手法ではない  — 問いの設計と場の安全性のつくり方で、出てくるものは大きく変わります


  • 講義部分を軽視しない  — 基本項目の理解があってこそ、演習が深まります

  • 行動宣言まで設計する  — 「楽しかった」で終わらせないための最後の30分が重要です

  • 制度の詳細は変わり得る  — 受講料や助成金の要件は、必ず最寄りのセンターと労働局にご確認ください





よくある質問(FAQ)


Q1. ポリテクセンターの訓練で、本当にレゴ®ブロックを使えるのですか?


はい。

生産性向上支援訓練は企業の課題に応じてカリキュラムをカスタマイズできる制度で、講義だけでなく演習・グループワークを取り入れることが前提になっています。実際にポリテクセンター静岡の生産性向上支援訓練として、複数社で実施した実績があります。実施可否や進め方は、最寄りのセンターにご相談ください。



Q2. 受講者がレゴ®ブロックを触ったことがなくても大丈夫ですか?


はい。

造形の巧拙を評価するものではありません。認定ファシリテータが段階的にウォームアップを行いますので、初めての方でも自然に手が動き出します。上記の事例も、初任層や無口なメンバーが多い現場での実施です。



Q3. 石川県・富山県・福井県でも実施できますか?


石川県・金沢を拠点に、北陸全域を中心としながら、京都や静岡県や関東など全国での実施実績があります。

ポリテクセンターの訓練は自社の会議室での実施も可能ですので、まずは最寄りのセンターと当社の双方にご相談いただくのがスムーズです。





最後まで読んでくださったあなたへ


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


研修に予算を割きにくい。それは中小企業として当然の判断だと思います。私自身、家業の会社を22年経営し、44歳で会社整理という決断をしました。人材育成の重要性はわかっていても、目の前の資金繰りが優先される日々のことは、身をもって知っています。


だからこそ、公的な制度は使えるだけ使っていただきたいと思っています。そして同じ枠組みを使うのなら、社員が「受けさせられた」ではなく「考えた」と感じて帰ってくる時間にできたほうがいい。


もし今、

  • 人材育成の必要性は感じているが、予算の壁がある

  • 毎年研修を受けさせているのに、現場が変わった実感がない

  • 現場の若手や無口な社員の考えが、正直よくわからない


そんな感覚が少しでもあるなら、それは変化のタイミングが近づいているサインかもしれません。


毎年同じコースを受けさせて、手応えが薄い。

その違和感は、内容ではなく進め方に理由があるかもしれません。




👉 レゴ®シリアスプレイ®を活用した研修とは?費用・事例を見る


👉 レゴ®シリアスプレイ®体験会に参加する


👉 公式サイト|株式会社できる


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【著者プロフィール】

幸動力コーチ 杉本 嵩龍(すぎもと たかたつ)

株式会社できる 代表取締役。

「人と組織が幸せに働き続ける未来をデザインする」をミッションに、

脳科学(RAS®)・レゴ®シリアスプレイ®・コーチングを組み合わせた

対話と体感を重視した支援を行っています。

LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ。

延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。

44歳での会社整理という挫折と、ゼロからの再出発を経験したからこそ、

経営者の孤独や、決断し続ける苦しさに、きれいごとなく寄り添えます。

現在は金沢市山間部・牧山町でヤギと猫に囲まれながら暮らしています。


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