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「辞めるつもりでした」——10年後を描いたら、まだ頑張りたい自分がいた|石川県の周年記念研修で起きたこと

  • 8月17日
  • 読了時間: 6分


「最近、辞めそうな社員がいる気がする」


「面談をしても、本音が返ってこない」


「引き止めたところで、気持ちは変わらないのではないか」



石川県・北陸の中小企業の経営者の方から、こうしたご相談をよくいただきます。


人が足りない時代に、育てた人材が抜けていく。しかも理由が最後まで分からない。


先日、ある企業様の周年記念研修で、こんなことがありました。この記事では、その一場面と、そこから見えた「人が辞めない組織」のヒントをお伝えします。




アンケートに書かれていた、一行「辞めるつもりでした」


その日は、創業の節目を記念して「次の10年をどう描くか」を考える研修でした。


参加されたのは、若手からベテランまで混ざった社員のみなさんです。


レゴ®シリアスプレイ®を活用した研修では、テーマに対して一人ひとりがブロックで模型をつくり、その意味を言葉にして共有していきます。


この日は「10年後の自分」も、その問いのひとつでした。


研修後のアンケートに、こう書かれた方がいました。



「当初、2、3年後の退職を考えていたが、10年後の自分を考える中で、まだまだ頑張りたい自分がいることに気づいた」



正直に申し上げると、これを読んだとき、しばらく手が止まりました。


私は何も引き止めていません。「辞めないでください」とも言っていません。


ただ「10年後を、ブロックでつくってください」とお願いしただけです。




なぜ「辞めたい」より「続けたい」は見えにくいのか


考えてみると、理由があります。


辞めたい理由は、言葉になりやすいのです。


給与、人間関係、評価、業務量。


不満は具体的で、輪郭がはっきりしています。だから頭の中で何度も反芻され、だんだん決意に変わっていきます。



一方で、続けたい気持ちは言葉になりにくい。


「この仕事の、こういうところが好きだ」「あの人と働けてよかった」といった感覚は、曖昧で、言語化されないまま日常に埋もれます。不満のように何度も反復されることもありません。


つまり多くの人の頭の中では、言葉になった不満だけが積み上がり、言葉にならない愛着は勘定に入らないまま、判断が進んでいきます。




「10年後」という時間軸が、天秤を戻す


ここで効いてくるのが、時間の設定です。


「今のままでいいのか」と考えると、目に入るのは現在の不満です。


ところが「10年後の自分」を描こうとすると、視線が未来に飛びます。


そして未来を描くには、自分が何を大事にしているかを持ち出すしかありません。


手を動かしてブロックを積むと、そこに何かが立ち上がります。


それを見て、自分でも驚くわけです。「あれ、自分はまだこれをやりたいのか」と。


先ほどの方が書かれた「まだまだ頑張りたい自分がいることに気づいた」という一文は、まさにこの構造だと思います。


誰かに言われたのではなく、自分で見つけた。だからこそ、その気づきは残ります。





引き止めるのではなく、気づく場をつくる


離職を防ごうとするとき、多くの会社が面談を増やします。


もちろん大切です。ただ、面談には構造的な限界があります。


上司と部下という関係の中で、「実は辞めようと思っています」と本音を出すのは簡単ではありません。


出せたとしても、そこから始まるのはたいてい「引き止め」です。


引き止められた側は、譲歩を引き出す交渉に入るか、気持ちを閉じるかのどちらかになります。


必要なのは、説得ではなく、本人が自分の気持ちに出会う時間です。


  • 上司も部下も、同じ立場でつくる

  • 全員が話し、全員が最後まで聴く

  • 評価も反論もされない


この条件がそろったとき、普段の面談では出てこない言葉が出てきます。


同じ研修の別の参加者は「普段の面談などでは聞くことのできない潜在的な考えを聞けた」と書かれていました。


若手と一緒だったベテランの方は「自分の発言を控えないと、といういつも感じる配慮をする必要がなくて楽だった」とも。


人が辞めない組織とは、待遇がいい組織ではなく、自分の本当の思いを言える組織なのだと思います。





周年・節目こそ、絶好のタイミング


もうひとつお伝えしたいのは、タイミングです。


普段の業務の中で「10年後の自分を考えましょう」と言っても、なかなか本気になれません。


ところが創業◯周年、事業承継、新体制のスタートといった節目には、会社全体が「これまで」と「これから」を考えるモードになります。


この空気があるときに、社員一人ひとりにも自分の10年後を描いてもらう。


会社の未来と個人の未来が、同じ場で重なる。周年記念の式典や表彰だけで終わらせるのは、正直もったいないと感じています。


石川県・富山県・福井県の企業様からも、周年事業に合わせたご相談が増えています。


手法や費用の詳細はレゴ®シリアスプレイ®を活用した研修のページにまとめています。





よくある質問


Q1. 研修一回で、本当に退職を思いとどまるものでしょうか?


研修が直接引き止めるわけではありません。

起きているのは「本人が、自分の中にあった気持ちに気づく」ということです。ですから、気づいた結果として「やはり次に進む」という結論になる方もいます。それも健全だと私は思っています。大切なのは、不満だけで判断していた状態から、自分の本音を含めて選び直せる状態になることです。



Q2. 若手とベテランが混ざっていても大丈夫ですか?


むしろ混ざっているほうが効果的です。

全員が同じようにつくり、同じように話す構造なので、役職や年齢による発言量の偏りが起きにくくなります。実際に「若い人と一緒でも遠慮せずに済んで楽だった」というベテランの方の声もいただいています。



Q3. どのくらいの時間が必要ですか?


「10年後を描く」というテーマを扱うなら、半日から一日をおすすめしています。

2時間半でも実施は可能ですが、その場合は「全員がつくり、話し、聴く」という土台の体験が中心になります。目的とご予算に合わせて設計しますので、まずはご相談ください。




最後まで読んでくださったあなたへ


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


もし今、


  • 人や組織のことで、ひとりで抱えている悩みがある

  • 頑張っているのに、どこか空回りしている感じがする

  • 「このままでいいのか」と、ふと立ち止まりたくなる瞬間がある


そんな感覚が少しでもあるなら、

それは変化のタイミングが近づいているサインかもしれません。


まずは話すだけで大丈夫です。

無理な勧誘や売り込みは一切ありません。

「話してみて、違うと思ったらそれでOK」です。


引き止めるのではなく、本人が気づく場をつくる方法があります。




👉 レゴ®シリアスプレイ®を活用した研修とは?費用・事例を見る


👉 レゴ®シリアスプレイ®体験会に参加する


👉 公式サイト|株式会社できる


O Sole Mio! いつも心に太陽を!




【著者プロフィール】

幸動力コーチ 杉本 嵩龍(すぎもと たかたつ)

株式会社できる 代表取締役。

「人と組織が幸せに働き続ける未来をデザインする」をミッションに、

脳科学(RAS®)・レゴ®シリアスプレイ®・コーチングを組み合わせた

対話と体感を重視した支援を行っています。

延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。

44歳での会社整理という挫折と、ゼロからの再出発を経験したからこそ、

経営者の孤独や、決断し続ける苦しさに、きれいごとなく寄り添えます。

現在は金沢市山間部・牧山町でヤギと猫に囲まれながら暮らしています。

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