ベテランの「勘どころ」を若手に渡す方法:ノウハウ継承×レゴ®シリアスプレイ®の活用事例
- 11 分前
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こんなことで悩んでいませんか?
「ベテランが退職したら、あの技術は誰も引き継げない」
「マニュアルを作ろうとしたが、肝心なことほど言葉にならない」
「OJTで教えているはずなのに、若手がなかなか一人立ちできない」
この記事では、製造業・建設業で深刻化するノウハウ継承・技能伝承の問題に、レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用した体験型対話アプローチがどう向き合うのかをお伝えします。
石川県・北陸の現場での実践事例とともに、「なぜベテランの暗黙知は言葉にしにくいのか」という本質から解説します。
なぜベテランの「勘どころ」は伝わらないのか
製造業・建設業のベテランが持つ知識には、大きく2種類あります。
ひとつは「形式知」——マニュアルや手順書に書けるもの。
もうひとつは「暗黙知」——長年の経験から体に染みついた、言語化しにくい判断基準・感覚・こだわりです。
「この音がしたら油を足す」
「このときの手触りが出たら次の工程に進む」
「あの職人はここで3秒止まる理由がある」
」
——これらはマニュアルに書けません。
書こうとしても、「状況による」「慣れれば分かる」という表現になり、若手には届かない。
さらに問題を複雑にするのが、ベテラン自身が「自分の知識を言語化することに不慣れ」という現実です。
長年の経験が「当たり前の感覚」になっているため、何が特別なのかを自覚しにくい。
「なぜそうするんですか?」と聞かれると、「そういうものだから」としか答えられない。
これは怠慢ではなく、人間の認知の仕組みそのものです。
では、この壁をどう超えるか。答えは「言葉より先に、形にすること」です。
「形にする」ことで、言葉にならなかったものが動き出す
レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用したワークショップでは、参加者が自分の仕事・考え・経験をブロックで表現することから始めます。
この「形にする」というプロセスが、暗黙知の伝承において決定的な力を発揮します。
手が動くと、頭が動く
ベテランに「あなたのノウハウを言葉で説明してください」と言っても、言葉がなかなか出てきません。
しかし「あなたの仕事の流れをブロックで作ってみてください」と言うと、手が動き始める。ブロックを並べながら「ここがこうなっていて……」と自然に語り始めます。
手を動かすことが、脳の奥にある暗黙知を引き出す入り口になるのです。
形が「共通の言語」になる
ベテランが作ったブロックの模型を前に、若手が「この形はどういう意味ですか?」と質問します。
ベテランが「このブロックが自分の判断ポイントで、ここに来たときに必ずこの確認をする」と語ります。
テーブルの上の形が「共通の言語」になることで、言葉だけでは伝わらなかった文脈が動き出します。
「知らない自分」に気づく
暗黙知の伝承で見落とされがちなのが、ベテラン自身が「自分が何を知っているか」を整理できる機会です。ブロックで形にするプロセスを通じて、ベテター自身が「ああ、自分はここでこういう判断をしていたんだ」と気づく。自己認識が深まることで、伝えるべきポイントが明確になります。
実際に何が変わったのか?北陸・石川県の現場事例
竹中工務店協力業者会「竹和会・若竹会」(建設業・50社超)
建設業界では、長年の職人技術・現場の判断基準・安全管理のノウハウがベテランに集中する構造が根深い問題です。
竹中工務店の協力業者会として50社超が参加したレゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修では、「人を育てる・ベテランから若手への技術の伝承」をテーマに、各社のベテランが現場の知恵を形にするワークを実施しました。
参加者から印象的な言葉が届きました。
「作品を観て話すことで、相手の根幹を知ったり、知らない自分に気づいた。人の意見がこんなに違うものかと思った」(参加者)
「知らない自分に気づく」——これは技能継承の核心です。
自分が持っているノウハウの輪郭が見えた瞬間、それを誰かに渡そうという意識が生まれます。
50社を超える多様な企業の参加者が、業種・立場を越えて「自社の当たり前」を見つめ直した場でした。
コマツ系協力会社 T工業所(製造業・コマツ協力会社)
コマツの協力会社として製造に携わるT工業所では、社長のトップダウン体質により、リーダー層が「なぜそうするのか」を深く考えずに従う習慣が定着していました。
6時間のレゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用したワークショップで、個人の価値観・会社への思い・理想の組織像を形にしていくプロセスの中で、リーダー自身が「自分は何を大切にしているのか」を言葉にする体験が生まれました。
「実は離職を考えていたリーダー2人が、今回のワークショップをきっかけに前向きに考え始めた」(担当者)
技能継承は、技術だけの問題ではありません。
「この仕事に誇りを持てるか」「ここで続ける理由があるか」という感覚と切り離せません。
自分の価値観を形にして語ることで、ベテランのリーダーが自分自身の「勘どころ」の意味に気づき、次世代に渡したいという意欲が生まれます。
老舗 醤油味噌製造会社(食品製造業)
130年を超える歴史を持つ醤油味噌製造会社では、部署間の対話が少なく、各部署に蓄積されたノウハウが組織全体で共有されていない状態が続いていました。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用したワークショップをきっかけに、社長から「社員の本音が垣間見えた」という評価を得ました。
その後の継続的な関わりの中で、この会社は新規販路開拓・海外展開を実現し、業績が130%アップ。
組織の中に埋もれていたノウハウと意欲が、対話を通じて引き出された結果です。
食品製造の「味の勘どころ」は、職人の感覚そのものです。その感覚を語れる場をつくることが、継承の第一歩でした。
ノウハウ継承に向いているポリテク研修コースとの組み合わせ
ポリテクセンターの生産性向上支援訓練の中でも、以下のコースはレゴ®シリアスプレイ®メソッドとの相性が特に高く、技能継承に直結します。
職業能力の整理とノウハウの継承
ベテランが長年の仕事で培った暗黙知・経験知・仕事の勘どころをブロックで表現することで、「見える形」にします。若手との対話を通じてノウハウの受け渡しが促進されます。
後輩指導力の向上と中堅・ベテラン従業員の役割
「教える」だけでなく、「後輩の主体性を引き出す関わり方」へのシフトを体験的に理解できます。
指導する側の役割・後輩との関係・伝え方をブロックで立体化することで、「教えるのではなく、気づかせる」アプローチが体に入ります。
チーム力の強化と中堅・ベテラン従業員の役割
中堅・ベテランの経験・価値観・これからの役割を「見える化」できます。
「自分の経験をチームのために活かす」という意識が高まり、技能継承を組織文化として根付かせる入口になります。
作業手順の作成によるノウハウの継承
作業の流れ・判断基準・注意点をブロックモデルで表現し、手順書づくりの前段階として現場で使える知識整理ができます。
ベテランが「自分でも気づいていなかった手順」を言語化するきっかけになります。
杉本から一言:ベテランは「語りたい」のに、場がない
製造現場で長く働いてきたベテランの方と向き合うとき、私がいつも感じることがあります。
彼らは本来、語りたいのです。自分が培ってきた技術・経験・この仕事への誇りを、誰かに渡したいという気持ちを持っています。しかし「そんなことを言う場がない」「うまく言葉にできない」「若手が聞いてくれるかどうか」という不安があって、語れないままになっているのです。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドが最初に提供するのは、ひとつの「許可」です。
「形にしていい」「語っていい」「伝えていい」という場の許可。ブロックで形になった瞬間、ベテランの目が変わります。自分の経験に名前がついた瞬間の顔を、私は何度も見てきました。
私自身が44歳で会社整理を経験し、ゼロから再出発した経験者として、「経験を渡せないまま終わる」という無念を想像すると、胸が痛くなります。
だからこそ、ベテランが語れる場を作ることに、どんな研修よりも本気になれます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ベテラン社員はレゴ®を活用した研修に抵抗しませんか?
「レゴで遊ぶのか」という最初の戸惑いは確かにあります。
ただ、製造業・建設業のベテランの方は「手を動かすことが当たり前」の文化で育ってきた方が多く、ブロックを手にした途端に自然に入ってもらえることが多いです。
「自分の仕事の流れを形にしてみてください」という問いかけに、多くのベテランが驚くほど真剣に向き合ってくれます。
Q2. 1回のワークショップでどこまで伝承できますか?
1回のワークショップで「すべてのノウハウが伝わる」という魔法はありません。
ただ、1回で「ベテランが自分の知識の輪郭を掴む」「若手がベテランの仕事への姿勢を知る」「互いに語り合う関係性が生まれる」という変化は起きます。
継承を「1回で終わらせない仕組み」として継続的な取り組みをご支援することも可能です。
Q3. 製造業以外でも技能継承に使えますか?
はい。
建設業・福祉・医療・食品製造など、「人の経験と感覚に依存する仕事」であれば、どの業種でも有効です。
石川県・北陸エリアでは建設業・製造業・食品製造業を中心に実績がありますが、全国対応も可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
最後まで読んでくださったあなたへ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もし今、
人や組織のことで、ひとりで抱えている悩みがある
頑張っているのに、どこか空回りしている感じがする
「このままでいいのか」と、ふと立ち止まりたくなる瞬間がある
そんな感覚が少しでもあるなら、それは変化のタイミングが近づいているサインかもしれません。
まずは軽く話すだけで大丈夫です。
無理な勧誘や売り込みは一切ありません。「話してみて、違うと思ったらそれでOK」です。
「退職までに何とかしなければ」と思いながら、具体的な手が打てていない——そのまま時間が過ぎると、リスクは積み上がっていきます。まず、今できることを一緒に考えましょう。
👉 公式サイト|株式会社できる
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O Sole Mio! いつも心に太陽を!
著者プロフィール
幸動力コーチ 杉本 嵩龍(すぎもと たかたつ)
株式会社できる 代表取締役。
「人と組織が幸せに働き続ける未来をデザインする」をミッションに、脳科学(RAS®)・レゴ®シリアスプレイ®・コーチングを組み合わせた対話と体感を重視した支援を行っています。延べ200社・4,000名以上の経営者・管理職・チームと向き合ってきました。44歳での会社整理という挫折と、ゼロからの再出発を経験したからこそ、経営者の孤独や、決断し続ける苦しさに、きれいごとなく寄り添えます。現在は金沢市山間部・牧山町でヤギと猫に囲まれながら暮らしています。



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