レゴ®シリアスプレイ®で拓く、門前町の未来──校長先生インタビュー
- 嵩龍 杉本
- 3 日前
- 読了時間: 4分
◆実施概要
2025年4月28日、能登半島地震の被災地・輪島市門前町にある門前中学校および門前小学校の高学年を対象に、株式会社できるがレゴ®シリアスプレイ®(LSP)を活用した特別授業を行いました。言葉だけでは表現しにくい「地域の良さ」「復興後の未来像」を、ブロックで可視化しながら対話を深めるワークショップ形式で実施。授業後、校長先生にお話を伺い、その効果と可能性について振り返っていただきました。
Q1. 実施後の率直なご感想をお聞かせください。
校長:「最初、子どもたちは“何を表現すればいいか”“間違ったらどうしよう”という遠慮が見えました。しかし、LSPの“手を動かしながら考える”プロセスを繰り返すうちに、小学5・6年生はもちろん、中学3年生も次第に発想を広げ、自分の言葉で語り合うようになりました。特に、川釣りや風力発電、山登りなど、門前町の自然資源を掘り下げた意見が次々と出てきたのには驚きました」
──確かに“手を動かす”ことで言葉に出にくい本音が見える化されますね。中学生の反応はいかがでしたか?
校長:「中1は最初、代表の先輩たちに任せがちで、なかなか発言に踏み切れない様子。でも2回目にはコツをつかんだようで、『何を考えているか』『どう感じているか』を自ら語り合っていました。特に3年生の『間違えてもいい』『失敗しても笑われない』という心理的安全を得た瞬間の飛躍は見事でした。」
──発言しづらい子もブロックを介すると自然と語り出す──という効果を実感されたのですね。
校長:「そうです。普段は『この答えを出せば正解』という思い込みから、自分の意見を封じてしまう生徒もいます。ですがLSPでは、“遊び”という文脈のなかで『どう表現しようか』と主体的に考え、失敗を恐れずに手を動かす。そのプロセスが、言葉のバリアを下げ、本音を引き出していました。」
Q2. 子どもたちの表現や対話で、特に印象に残った瞬間は?
──“地域資源の再発見”という点でも、大きな気づきがあったとお聞きしました。
校長:「はい。『門前町には何もない』と言われがちですが、子どもたちに好きな風景をブロックで表現させると、『川釣りができる河川』『夕日が山肌に反射する光景』『風車のある丘』など、地域の魅力が次々と浮かび上がったんです。大人が見落としがちな価値を、子どもの目線で教えられた思いです。」
校長:「夕日の美しさを透明ブロックの赤で表現した作品には“こう見えると違った感動がある”と語り合う姿があり、子どもたち同士で『それは新しい視点だね』と共感し合っていました。また、最終的に“門前町を観光客にどう楽しんでもらうか”を自分たちなりにまとめ、まちづくりにつながるアイデアを生み出せたのは、従来の授業では考えられない成果です」
Q3. レゴシリアスプレイ(LSP)を復興支援に活用する意義とは?
校長:「震災後、まちの外見だけでなく心も壊れかけていた子どもたちに対し、LSPは“自分の意見を形にし、皆で語り合う”機会を与えてくれました。失敗を恐れず自由に表現できるプロセスが、自己肯定感を高め、地域への愛着や想像力を育む──まさに復興支援の一翼を担う手法だと感じています」
──最後に、LSPを企業研修など教育現場以外で活かすとしたら、どのような可能性を感じられますか?
校長:「企業でも、『正解探し』に陥りがちな会議を、LSPによって“対話と共創”の場に変えられると思います。部署や立場の違いを超えて、言葉では伝えづらい思いをブロックで共有し、チームビジョンを自らの言葉で語り合う──それはまさに、復興プロジェクトでも機能したプロセスです。」
まとめとご案内
インタビューを終えて
校長先生が繰り返し強調されたのは、「手で考える」ことが生む心理的安全と本音の可視化でした。被災地のこどもたちが生み出したアイデアは、地域づくりのヒントとして、また企業の組織開発にも応用可能です。
今回の特別授業を通して、レゴ®シリアスプレイ®は「被災地の未来を自分ごと化し、表現・対話・共創を促すツール」として強い可能性を示すことができました。
株式会社できるでは、企業のチームビルディングや理念浸透ワークショップにもLSPを積極的に導入しています。
言葉にできない思いを形に
無意識のブロックを解放し、本音を引き出す
平等な対話で組織ビジョンを共創する
社員一人ひとりの想いを“見える化”するチームビルディング研修
言葉にしづらい課題を解きほぐすビジョン策定ワークショップ
など、LSPを活用した対話型プログラムをご提案しています。
「言葉に頼らず、心の声を形にする」体験を、ぜひ貴社でもお試しください。
ご興味をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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